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骨折などの外傷について

  • 大腿骨近位部骨折 

大腿骨近位部骨折は、骨粗鬆症で骨がもろくなった高齢者に多発することで有名であり、本邦でも年間10数万人が受傷するといわれています。股関節部(脚の付け根)に痛みがあり、ほとんどの場合、立つことや歩くことができなくなります。

手術しない場合、安静期間中に認知症や廃用萎縮といって動けないうちに運動機能が低下し寝たきりになってしまう可能性が高くなります。手術方法は、骨折型により異なりますが、骨の中に金属を入れたり、人工物に置き換えたりします。当院では、受傷48時間以内に手術を行うことを心掛けており、手術を行うことで翌日から歩行訓練を開始できます。

 

  • 一時的創外固定

一時的創外固定とは、骨折部位を挟んだ両側の骨に複数のピンを打ち込み、骨のずれをできるだけ整復し創外固定器(金属の支柱)を連結して、骨折を皮膚の外で固定する方法で骨折部周囲の筋肉や皮膚などの軟部組織を安定化させることができます。

複雑な骨折の場合、単なる添え木による固定では、骨折部周囲が腫れて皮膚に水ぶくれ(水疱)ができることがありますが、一時的創外固定を行うことで水疱を形成することなく、骨折部の痛みが軽減し、さらに骨折部周囲の腫れを速やかに軽減させることができます。

開放骨折、関節内骨折、粉砕骨折など骨折型が重症の場合には一時的創外固定は良い適応であり、軟部組織保護と最終固定までの骨長保持が可能となり、早期にプレートなどによる最終固定を行うことができます。

 

 

  • 骨盤骨折
    骨盤骨折は、大きく分けて寛骨臼(かんこつきゅう)骨折と骨盤輪(こつばんりん)骨折に分けられます。中でも寛骨臼骨折は股関節の関節内骨折で骨折治療の中で最も難しい手術のひとつです。
    正確に骨折部を整復し固定することが重要であり、関節面の少しのずれや段違いを残したまま骨癒合しても関節軟骨が減少する変形性股関節症が経時的に進行するため、将来的に人工関節置換術が必要になる可能性が高くなります。
    ずれ(転位)が大きく不安定な骨折はスクリュー、プレートを用いて骨折部を固定することで保存的に治療する場合に比べて、早期に車いすや歩行練習が可能になることが利点です。県内でも数か所の施設でしか行われていない骨盤骨折の手術も当院で行っています。

 

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