このページの本文へジャンプする

呼吸器外科

診療科の概要

平成21年10月1日に呼吸器外科が新設され、肺癌や自然気胸などの呼吸器疾患の外科的治療を開始しました。平成25年4月より、乳腺外科の診療も始め、平成26年1月、乳腺専門医赴任により、呼吸器・乳腺外科(院内標榜)として再出発することになりました。現在、呼吸器外科専門常勤医不在及び人員不足のため、乳腺外科診療のみとなっており、呼吸器疾患の手術や入院が必要となる疾患や病状においては、適切な施設に紹介させて頂いております。呼吸器外科診療体制が整うまで大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご協力いただきますようお願い申し上げます。

診療科の特色

呼吸器外科

主な対象疾患は、肺癌・自然気胸・転移性肺腫瘍・膿胸・縦隔腫瘍・胸壁腫瘍・胸膜中皮腫・診断のつかない肺結節陰影(検診で見つかる小さな肺の異常陰影)・胸部外傷(肋骨骨折、外傷性血気胸)・手掌多汗症などです。手術は、胸腔鏡手術が主体で、痛みや侵襲の少ない手術を心がけています。また、胸水貯留の原因診断や急性膿胸の治療には、局所麻酔下胸腔鏡を呼吸器内科と連携して施行しています。

肺癌

呼吸器内科と連携して治療方針を決定します。手術は、胸腔鏡を使い出来るだけ小さな傷で手術を行います。術式は、葉切除+縱隔リンパ節廓清が基本で、手術中にリンパ節の病理検査を行い癌の広がりを調べます。2cm以下で小型の肺癌の場合、肺区域切除や肺部分切除という肺切除範囲の少ない術式(縮小手術)を選択することもあります。通常、術後10日から2週間で退院可能です。術後は、癌の進行度により、術後化学療法や放射線療法を行う場合があります。

自然気胸

肺の表面に小さな袋(ブラ)が出来ていて、それが破れて肺がしぼんでしまう病気です。胸痛や呼吸困難が起こります。通常入院が必要で、まず胸腔ドレナージ(胸に細い管を入れて、貯まっている空気を外に出す方法)を行い、空気漏れがなければ2〜3日目に管を抜き、翌日退院です。しかし、空気漏れが続いたり、CTにてブラ(肺の表面に出来た小さな袋)がはっきり見える場合、入院期間の短縮や再発予防のため胸腔鏡手術を勧めています。術後は、3〜4日目に退院可能です。場合により、通院での治療(細い管を胸に入れて、小さいパックを繋いでおきます)も可能です。
診断のつかない肺結節陰影に対する胸腔鏡下肺腫瘍生検
検診の胸部レントゲンやCTで見つかった肺の1〜2cmの影(肺結節陰影)は、初期の肺癌である可能性が高くても、気管支鏡などで診断が出来ないことが多くあります。そのような場合、胸腔鏡手術にてその肺結節を切除し術中の迅速病理検査を行い、良性(肺癌でない)なら、それで手術を終了し、悪性(肺癌)と診断されれば、引き続き根治手術(肺葉切除または区域切除)を行います。

局所麻酔下胸腔鏡

胸水貯留の原因診断や急性膿胸の治療に施行しています。
胸に局所麻酔で1cm位皮膚切開を行い、肋骨の間から胸腔鏡(径10mm位の細い内視鏡)を入れ、胸腔内を観察します。胸水貯留の場合は、その原因疾患として結核性胸膜炎、肺癌・乳癌などの胸膜転移、石綿胸水、悪性胸膜中皮腫などが考えられるので、採取した胸水の検査とともに、胸膜生検を行います。急性膿胸の場合は、胸腔内に溜まっている膿(汚い胸水)を吸引し、出来るだけ肺を広げて、膿の溜まるスペースを少なくなるようにします。どちらも、最後に胸腔ドレーンという管を留置し、器械にて持続吸引を行います。

手掌多汗症

両側の手の平に汗を多くかき、日常生活にも支障をきたす病気です。胸部の交感神経を切断(または焼灼)することにより、改善することがわかっており、これを胸腔鏡手術にて施行します。成功率はほぼ100%ですが、代わりに背中の汗が多くなります(代償性発汗)。手術翌日に退院可能です。

乳腺外科

平成26年1月に新設され、和歌山医大第1外科(心臓血管・呼吸器・乳腺外科)の関連のもと、乳癌、乳腺症、線維腺腫、乳腺炎などの乳腺疾患診療を行っています。
主な対象疾患は乳癌で、女性の悪性腫瘍の中で罹患率が1位というだけでなく、30-60歳の病因死の中でも1位である疾患です。当科では女性医師による乳がん個別検診も行っており、患者さまに「検診+自己検診」の有用性や、早期に発見すれば治癒率が高いことをよくお話しし、マンモグラフィ•超音波検査•針生検などのモダリティーを利用して乳癌の早期診断に努めています。
さらに治癒率を高めるためには薬物療法が重要です。副作用管理を徹底的に行い、標準量の抗がん剤治療ができるチーム医療の治療体制を整備しています。また、手術には乳房造影MRIによる広がり診断が欠かせません。乳房造影MRIでは乳癌の乳房内の広がりとリンパ節転移の予測を行い、術式を決定します。 局所麻酔下にセンチネルリンパ節生検を行い、転移のない場合には郭清を省略することができます。治療におきましては、質の高いエビデンスを基に、標準医療ガイドラインに沿った治療をベースにしながら、一人一人に適した方針を一緒に相談したうえで選択し、外科療法・薬物療法・放射線治療法を組み合わせ、患者さんに寄り添って、最善・最良の医療を提供させていただきます。急速に変化していく乳癌診療の情報を速やかに取り込み、より適切な医療を患者さんに提供していけるよう日々努めております。

スタッフ紹介

氏名 役職 出身大学 専門 専門医・認定医等
玉置 剛司 呼吸器外科部長 平成2年 自治医科大学医学部卒業 乳腺外科 日本乳癌学会乳腺指導医・専門医
マンモグラフィ読影認定医
乳房超音波検診資格認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認医
日本外科学会指導医・専門医
日本医師会認定産業医
医師臨床研修指導医

手術実績

  平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和1年
原発性肺癌  27  26  26  20  21  17  0  0  0  0
転移性肺腫瘍  3  3  3  7  1  2  1  0  0  0
自然気胸  10  15  10  6  7  9  1  8  5  0
縱隔腫瘍  2  0  2  6  0  0  0  0 0  0
手掌多汗症  0  1  1  2  0  0  0  0 0  0
原発生乳癌  0  0  0  11  22  27  23  27  23  26
その他の手術  12  17  29  31  32  16  7  4  9  7
合計  54  62  71  83  83  71  32  39  37  33

学術実績

令和1年 呼吸器外科学術実績

学会発表
玉置剛司
乳腺原発悪性リンパ腫の1例
第26回日本乳癌学会学術総会 2019/7/11-13 東京 

講演
玉置剛司
「乳がん検診」の利益と不利益
〜 自分に合った乳がん検診について考えてみましょう 〜 
市民公開講座 2019/10/16 和歌山市

患者さんへ

当科は、一般社団法人National Clinical database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。
専門医制度と連携したデータベース事業について
病院医療の崩壊や医師の偏在が叫ばれ、多くの学会や団体が医療再建に向けて新たな提言を行っていますが、 どのような場所でどのような医療が行われているかが把握されていない状況では、患者さん目線の良質な医療 は提供できません。そこで日本では、 関連する多くの臨床学会が連携し、わが国の医療の現状を把握するため、『一般社団法人 National Clinical Database』(以下、NCD)を立ち上げ、データベース事業を開始することになりました。

この法人における事業を通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための専門医の適正配置が検討できるだけでなく、最善の医療を提供するための各臨床現場の取り組みを支援することが可能となります。
何卒趣旨をご理解の上、ご協力賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

  1. 本事業への参加について
    本事業への参加は、患者さまの自由な意思に基づくものであり、参加されたくない場合は、データ登録を拒否して頂くことができます。なお、登録を拒否されたことで、日常の診療等において患者さまが不利益を被ることは一切ございません。
  2. データ登録の目的
    患者さまに向けたより良い医療を提供する上では、医療の現状を把握することは重要です。
    NCDでは、体系的に登録された情報に基づいて、医療の質改善に向けた検討を継続的に行います。
    NCD参加施設は、日本全国の標準的成績と対比をする中で自施設の特徴と課題を把握し、それぞれが改善に向けた取り組みを行います。国内外の多くの事例では、このような臨床現場主導の改善活動を支援することにより、質の向上に大きな成果を上げています。
  3. 登録される情報の内容
    登録される情報は日常の診療で行われている検査や治療の契機となった診断、手術等の各種治療やその方法等となります。これらの情報は、それ自体で患者さま個人を容易に特定することはできないものですが、患者さまに関わる重要な情報ですので厳重に管理いたします。情報の取り扱いや安全管理にあたっては、関連する法令や取り決め(「個人情報保護法」、「疫学研究の倫理指針」、「臨床研究の倫理指針」、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等)を遵守しています。
    登録されたご自身のデータをご覧になりたい場合は、受診された診療科にお問い合わせ下さい。
  4. 登録される情報の使われ方
    登録される情報は、参加施設の治療成績向上ならびに皆さまの健康の向上に役立てるために、参加施設ならびに各種臨床領域にフィードバックされます。この際に用いられる情報は集計・分析後の統計情報のみとなりますので、患者さま個人を特定可能な形で、NCD がデータを公表することは一切ありません。
    情報の公開にあたっても、NCD内の委員会で十分議論し、そこで承認を受けた情報のみが公開の対象となります。
  5. お問い合わせ
    本事業に関するお問い合わせは、受診された診療科またはNCD事務局(NCDホームページ)までご連絡ください。
このページの先頭へ