平成29年度 和歌山ろうさい病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 374 140 193 266 518 566 1316 1956 1383 338
 当院の入院患者数は60歳以上の患者様が多く、全体の7割を超えています。内容としては、肺炎や脳梗塞などの比較的重症になりやすく緊急性の高い症例などが多く見受けられます。股関節大腿近位骨折の地域連携パスを用いた症例も多く、地域医療の維持向上に貢献しております。また、10歳未満の患者様の人数が10~20歳代の患者より多くみられます。この理由としては、産婦人科と小児科を標榜してていることから新生児の入院が多いことと、小児科の救急入院、耳鼻咽喉科の手術入院が多いことなどが挙げられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病なし85歳未満 54 19.46 14.27 0.00 63.41
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 35 29.20 20.83 42.86 84.89
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病なし85歳未満 27 22.11 14.63 3.70 64.56
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 26 16.00 12.34 11.54 75.00
100380xxxxxxxx 体液量減少症 13 10.54 9.16 30.77 76.85
 内科では糖尿病患者が多数通院されており、経過中に各種疾患の合併や発症が見られることが多く、患者の高齢化も進み、肺炎や尿路感染症による発熱で治療を要することが多い状況であります。また、糖尿病の慢性合併症の中では腎症による腎不全進行での加療を要する場合も増加してきています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 66 13.89 11.99 0.00 72.82
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 48 32.75 20.83 29.17 82.96
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 38 4.63 3.59 2.63 73.53
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 28 25.86 19.65 3.57 67.79
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 22 20.32 14.60 4.55 80.55
 近年肺がんの罹患率が上昇し、当院においても肺がんの化学療法目的の入院が増加しています。平均在院日数は13.9日と短期間で、外来で化学療法を継続する人が増えています。また、肺の悪性腫瘍の確定診断のためにCTガイド下肺生検の入院も増加傾向です。
 当院は地域に施設が多く、高齢化に伴い施設入所者の誤嚥性肺炎の入院も多数あります。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx0300xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 63 9.06 8.43 0.00 74.22
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 51 11.80 10.61 3.92 72.18
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし 29 9.34 11.44 3.45 70.17
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし 24 7.88 8.73 4.17 71.42
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 22 6.14 5.50 0.00 55.68
 入院において消化器内科で最も多い疾患は肝・肝内胆管の悪性腫瘍で、なかでも肝細胞癌が多くを占めます。肝細胞癌は外科手術による治療を基本としていますが、全身状態や肝機能等の問題で外科手術の適応でないものも多く、切除不適または切除を希望しない方で根治的治療が期待できる方であればラジオ波焼灼療法またはマイクロ波凝固療法を行います。ラジオ波による治療件数は全国でも有数であり、外科手術にも劣らない成績を出しています。その他多発性のものや、進行癌、大きなものでラジオ波の適応とならない場合は経カテーテル的肝動脈化学塞栓術、骨転移や門脈浸潤に対しては放射線療法を行っています。
 2番目に多い疾患は総胆管結石およびそれに伴う閉塞性黄疸、胆管炎、敗血症等です。保存的に炎症がコントロール可能であれば、絶食、輸液、抗生物質の投与等で治療し、後日待機的に内視鏡で採石します。症状が重篤で緊急処置が必要な場合は可及的速やかに内視鏡で一期的に採石するか、まず胆管ステントを挿入し、胆管内にたまった感染胆汁や膿汁を排除し、後日採石します。
 3番目は1番目と重複しているのでそちらを参照してください。4番目は早期胃癌です。全例クリニカルパス(8日間)を用いて、内視鏡的粘膜下層剥離術を行っています。5番目はウイルス性腸炎でノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス等がよく知られています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 107 3.63 4.62 1.87 74.91
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 89 2.09 3.03 1.12 69.19
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 59 12.47 17.71 6.78 80.93
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 29 5.10 5.68 6.90 76.59
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 24 11.92 12.72 4.17 65.25
 循環器内科で多い症例は狭心症などの疾患に対するカテーテル治療のための入院です。心臓を栄養する冠動脈という動脈が動脈硬化により狭くなっていることで、胸の痛みや呼吸困難などを来す疾患ですが、カテーテルという細い管を用いて、狭くなった血管にステントというコイル状の管を挿入し拡張する治療です。
 次いで多いのが同じく狭心症などに対する治療前や治療後のカテーテル検査のための入院です。たいていの場合は1泊2日の入院でご自宅に退院していただいています。
 3番目に多いのが上記以外の疾患が原因で起こる心不全による入院です。主な原因としては心臓弁の機能不全(弁膜症)や心臓の筋肉の疾患により、心臓の収縮が低下する心筋症という疾患による心不全が挙げられます。
 4番目は閉塞性動脈硬化症という主に脚の動脈などの閉塞に対するカテーテル治療のための入院で、近年症例数が増加傾向にあります。
 5番目は急性心筋梗塞による緊急入院です。突然冠動脈が閉塞することにより発生する疾患で、放置すると命を落とす可能性がきわめて高い疾患です。救急受診後直ちにカテーテル検査を行い、閉塞した冠動脈をステントを用いて再疎通することにより、死亡率は5%以下にまで低下させることができます。その後はもとの生活に戻れるようにリハビリテーションを行い、経過が良ければ10日程度でご自宅に退院することができます。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 48 5.29 6.18 2.08 0.00
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし 35 4.66 5.94 0.00 0.94
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 31 4.48 5.70 0.00 2.39
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 22 5.14 6.03 0.00 2.45
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 16 2.81 5.50 0.00 2.81
 小児科病棟の入院は、RSウイルス等をはじめとした乳幼児の下気道炎によるものが多くなっております。輸液や酸素投与等の短期のサポートで改善して、元気に退院していかれます。ロタウイルスワクチンの普及もあって、胃腸炎の入院は減少傾向のように思います。
 当院では、ハイリスクの分娩は専門施設にお願いしております。新生児病棟の入院は、新生児黄疸の光線治療、軽度の呼吸障害の経過観察、低出生体重児に対する初期のブドウ糖輸液等の入院が中心です。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 66 7.45 7.40 0.00 62.94
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 30 14.53 15.61 0.00 72.33
060010xx99x41x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病あり 18 21.89 16.94 0.00 65.61
060020xx02x0xx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 17 16.18 17.27 0.00 70.06
060035xx0101xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 14 26.50 30.71 0.00 73.07
胆石症:胆石症に対しては特殊な例(高度に炎症のある症例、癌が強く疑われる症例など)を除き、腹腔鏡で胆嚢摘出を行います。前日に入院していただき、5日目に退院です。症例に応じてお腹に開ける穴(ポート)の数を減らした手術(単孔式など)も行っています。

結腸癌:結腸癌に対する開腹手術は、腸閉塞をきたしていたり、他の臓器に浸潤、転移がある症例で、それを合併切除する場合に行われます。通常は腹腔鏡(補助)下に行われることがほとんどです。術前に腸管減圧処置が必要な開腹手術例では、手術までの期間が長くなりますが、そうでなければ、1~2日前に入院し、10日から2週間程度で退院となります。術後補助化学療法(抗癌剤治療)が必要な場合は外来で行います。

食道癌:進行食道癌に対する治療は手術前に抗癌剤治療を2-3コース(1コースは2-3週間程度の入院となります)行い、腫瘍を縮小した上で根治切除術を行うことが標準となっています。手術の方法は胸を大きく切り開くのではなく肋間に5mmから12mmの穴を数個開け、そこから手術を行う胸腔鏡下食道切除術を行っています。

胃癌:多くの場合腹腔鏡下胃切除を行います。切除後の吻合も体内で行いますので、5mmから12mmの穴を5カ所開けるだけでほとんどの操作を終えます。臍の穴を3-3.5cmに拡張して切除した胃を体外に取り出します。腫瘍が巨大なものやがんが胃の外側まで広く浸潤しているものでは従来の開腹手術を行っています。手術の1-2日前に入院し、術後10日から2週間程度で退院となります。術後の再発予防を目的とした抗癌剤治療が必要な場合は外来で行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 134 25.67 27.09 70.15 82.94
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 59 21.53 19.94 79.66 76.98
160850xx97xx0x 足関節・足部の骨折、脱臼 その他の手術あり 副傷病なし 34 7.35 9.49 14.71 51.94
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 33 27.88 25.09 30.30 75.45
070343xx02x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 内視鏡下椎弓切除術 手術・処置等2なし 30 12.27 11.90 3.33 70.30
 整形外科では、多岐にわたる疾患の入院患者さんがいるのが特徴ですが、近年はとりわけ大腿骨近位部骨折や胸椎・腰椎の椎体骨折の割合が多くなっています。骨粗鬆症をベースに持った高齢者に多い骨折で術後のリハビリに日数を要するため術後転院の形をとることが多くなっています。また、代表的変性疾患である変形性関節症などに対する人工関節置換術や高度の腰下肢痛が生じた腰部脊柱管狭窄症に対するインスツルメントを用いた腰椎除圧固定術も増加しています。これらの症例に対してはクリニカルパスを利用し予定の日数で退院できるように術前術後計画を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 56 12.41 16.38 25.00 73.34
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 32 2.81 3.14 0.00 65.09
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 31 16.81 19.10 45.16 66.16
010060x2992401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 27 19.19 18.72 33.33 69.04
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 24 12.42 7.34 20.83 62.21
 当科では24時間体制で、救急患者さんを受け入れています。脳内出血や脳梗塞などの脳卒中や頭部外傷などの救急入院が多くを占めます。症状の進行を防ぎ、機能回復を計るため、点滴と内服薬の治療に加え、早期からリハビリテーションを開始します。近隣の病院との脳卒中地域連携パスを活用しており、後遺症の残った患者さんは回復期リハビリテーション病院に転院します。
 脳ドックなどで脳動脈瘤が発見される症例も増えています。脳血管撮影のために検査入院していただき、開頭術か血管内治療か、最善の治療法を検討します。治療適応となる症例では、十分なインフォームドコンセントを行い、治療のために入院していただきます。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2なし 13 5.38 6.37 0.00 56.31
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 10.04 - -
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術・処置等2なし - - 10.15 - -
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし - - 11.45 - -
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり - - 3.96 - -
 呼吸器外科で多い症例は、乳癌になります。これは呼吸器・乳腺外科を院内標榜しているためです。乳癌患者さんの経過としては、外来での検査・診断後に、入院し、手術を行い、退院後は外来で最終病理結果に基づいてガイドライン(NCCNガイドライン、日本乳癌学会乳癌診療ガイドライン)に沿った術後補助療法を施行しています(術前化学療法施行後に入院、手術となる症例もあります)。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 77 9.66 9.91 1.30 46.81
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 29 11.48 12.94 0.00 52.07
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 28 2.89 3.05 0.00 40.64
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 25 10.64 9.27 0.00 70.92
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等27あり 副傷病なし 24 3.13 4.63 0.00 67.96
 産婦人科の婦人科での最も多い症例は、子宮筋腫や子宮腺筋症(子宮内膜症)などの良性疾患に対する治療・手術に対する入院です。2番目に多い入院は、子宮頸がんや子宮体がん等の悪性腫瘍に対する手術の為の入院です。また、症例数が3番目に「女性性器のポリープ 子宮内膜ポリープ切除等」が入っています。これは、当院が和歌山県下で一番多くの子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫に対する子宮鏡下手術を行っている為です。紹介されてきた不妊症患者さんの内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫を治療の後、逆紹介している症例も多いです。4番目は高齢化とともに増加傾向のある性器脱に対する手術です。今後も増加するものと考えます。5番目に多い入院は、悪性腫瘍に対する化学療法の為の入院です。外来化学療法の時代ですが、症例により入院で施行しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020210xx99x1xx 網膜血管閉塞症 手術なし 手術・処置等2あり 12 2.00 2.56 0.00 78.08
020200xx99x4xx 黄斑、後極変性 手術なし 手術・処置等24あり - - 2.47 - -
020250xx97xxxx 結膜の障害 手術あり - - 3.30 - -
020110xx99xxxx 白内障、水晶体の疾患 手術なし - - 2.59 - -
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 - - 2.85 - -
 眼科で最も多いのは網膜静脈閉塞症に対する抗VEGF療法の症例です。網膜静脈閉塞症とは網膜を走る静脈が詰まって血液が流れなくなる病気で、50歳以上の年配の方に多く、高血圧と深い関連があります。症状としては、視力が低下したりしますが、これは血管が詰まった結果、黄斑浮腫(むくみ)が発生するためです。黄斑浮腫の発生にはVEGFという物質が関与しており、VEGFの働きを抑える薬を目に注射して、黄斑浮腫を減らすことにより、視力を改善する治療法が抗VEGF療法です。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 75 8.93 7.23 0.00 53.12
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 63 6.44 5.15 1.59 62.32
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 58 7.98 8.01 0.00 20.57
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 48 8.98 7.58 0.00 55.75
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 44 9.34 8.90 0.00 44.84
 耳鼻咽喉科では鼻内内視鏡を用いた慢性副鼻腔炎の手術、小児期の扁桃肥大、アデノイド肥大に対する手術、耳鼻等の腫瘍摘出術、慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術を数多く行っています。術後は鼻手術および耳科手術では10日以内に、扁桃アデノイドの手術では8日程度で退院されます。
 内科的救急症例としてはめまい症を積極的に受け入れ症状改善までの1週間弱、点滴加療やリハビリテーションを行っています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010080xx99x00x 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 13.90 9.99 0.00 35.00
010200xx99x00x 水頭症 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 7.46 - -
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 20.83 - -
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等24あり 副傷病なし - - 16.95 - -
010080xx99x01x 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病あり - - 21.46 - -
 神経内科における平成29年度診療科別患者数では、脳脊髄の感染を伴う炎症(副傷病なし)が10名と最も多いです。合併症のないウイルス性髄膜炎の症例がほとんどで、平均在院日数13.9日で転院することなく退院できています。平均年齢は35歳と他に比べ若年者が多いです。
 2番目に多いは水頭症(手術なし)が6例で、正常圧水頭症の診断目的の検査入院のため、平均在院日数は9.67日と最も短いです。
 3番目が誤嚥性肺炎の5名で、4番目は免疫介在性・ニューロパチ―に対するガンマグロブリン療法の4名で、いずれも転院することなく退院できています。
 5番目が脳脊髄の感染を伴う炎症(副傷病あり)の3名で、平均在院日数が24.67日平均年齢が64歳と、脳脊髄の感染を伴う炎症(副傷病なし)の10名に比べると平均在院日数が長く、平均年齢は高いです。2症例は退院できましたが、1症例は転院しました。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 20 10.90 11.73 10.00 62.95
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし - - 4.14 - -
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし - - 8.50 - -
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 8.95 - -
080011xx970xxx 急性膿皮症 手術あり 手術・処置等1なし - - 17.95 - -
 皮膚科で入院となる疾患は蜂窩織炎が最多です。とくに下腿、足に好発します。重症例では壊死性筋膜炎と鑑別を要することがあります。抗菌薬による点滴治療を要します。次に皮膚や皮下に生じた良性腫瘍が続きます。全身麻酔下での手術を要する大きな表皮嚢腫や脂肪腫などの腫瘍や、術後安静が望ましい臀部や下肢の腫瘍です。その他、全身麻酔下での手術を要するボーエン病や有棘細胞癌などの皮膚悪性腫瘍、点滴治療すべき重症の帯状疱疹、皮膚切開を必要とする急性膿皮症などがあります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 32 10.72 7.31 3.13 72.91
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 32 6.53 5.75 0.00 63.75
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし 15 9.67 7.64 6.67 72.00
110060xx99x20x 腎盂・尿管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等22あり 副傷病なし 14 9.00 11.29 0.00 65.00
110200xx04xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的レーザー前立腺切除術 13 10.69 7.64 0.00 71.23
 尿路性器の腫瘍の中では前立腺癌に次いで膀胱癌の頻度が高く、入院して手術する患者さんの中では最も多いです。膀胱癌は経尿道的手術で根治できる場合が多いですが再発することも少なくないため、再発予防目的に手術後に抗癌剤を膀胱に注入することがあります。
 腎臓や尿管にできた結石は自然に排石しなければ手術を行います。手術の方法には衝撃波を体の外から結石に当てて砕石する方法と、尿の出口から内視鏡を挿入して結石を砕石して取り除く方法があります。
 腎盂癌や尿管癌が転移を起こした場合は抗癌剤治療を行います。1人の患者さんに数コースの抗癌剤治療を行うので、その都度入院します。
 前立腺が大きくなって排尿困難となっている時はまずお薬の治療を行いますが、十分な効果が得られない場合は前立腺の内視鏡手術を行います。当院では主にレーザーを使って前立腺の核出術を行っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等24あり 副傷病なし 55 19.56 21.28 1.82 72.36
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 48 16.92 16.48 4.17 72.33
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等23あり 副傷病なし 19 14.42 17.04 0.00 71.84
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等24あり 11 11.64 10.60 0.00 71.18
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等22あり 10 40.40 40.97 0.00 72.60
 血液内科の症例で多いものは、骨髄異形成症候群及び非ホジキンリンパ腫に対する抗がん剤治療導入のための入院です。つまり、初めて抗ガン剤を使う患者様で、その治療による副作用が軽ければ、2回目以降は通院治療となります。最近は、分子標的薬と呼ばれる抗体療法剤を併用することが多くなっています。また、残念ながら、抗がん剤治療による副作用が重く、特に血液細胞の数が少なくなる症例もあり、輸血に頼る場合があります。そのなかで、治療終了後ただちに自宅静養ができない患者様は、体力も落ちているので、リハビリテーションを主体とした治療継続のため、当院より他の医療機関に転院されることがあります。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 35 - 10 28 16 - 1 7
大腸癌 16 28 31 34 15 24 1 7
乳癌 - 17 - - - - 1 7
肺癌 - - 31 68 45 59 1 7
肝癌 - - - - 11 104 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 当院では、胃癌、大腸癌、肝癌を消化器内科と外科で、肺癌の内科的治療を呼吸器内科、肺癌の外科的治療、乳癌を呼吸器・乳腺外科(院内標榜)で主に診療しております。なお、肝癌については、平成29年7月に肝臓内科が新設され、専門的な診療を行っております。
 胃癌はⅠ期・Ⅳ期の患者様が、大腸癌はⅢ期・Ⅳ期の患者さんが比較的多く見られます。早期の胃癌患者様に対しては、患者さんへの身体的負担が比較的少ない内視鏡的手術や腹腔鏡下手術を主に行っています。また、癌のステージによっては化学療法も実施しております。
 肺癌治療には外科的切除、放射線療法、抗癌剤による化学療法がありますが、進行癌(StageⅢ以上)が多いことから手術適応の症例は少ないです。もちろん個々の症例についてはその組織診断、病期診断、さらには遺伝子診断によって、適切な治療法を選択しています。また、近年肺癌の内科的治療の進歩が著しく、新薬の使用頻度が高くなっています。
 乳癌に対しては、呼吸器・乳腺外科において手術治療や化学療法を行っております。
 肝がんの診断と治療方針の決定は、肝臓内科が行います。肝がんの進行度・悪性度と、肝機能の評価を行い、個々の患者様にとって最適な治療方針をご提案させていただきます。さらに肝がんの原因になった慢性肝炎・肝硬変の原因を精査し、慢性肝炎、肝硬変の治療も御提案します。肝がんの治療には、肝切除、ラジオ波焼灼療法を代表とする経皮的局所療法、肝動脈塞栓術、化学療法、放射線治療がありますが、外科では肝切除、肝臓内科ではラジオ波焼灼療法と化学療法、放射線科では肝動脈塞栓術と放射線治療を担当し、3科で協力して癌治療を行います。肝がんは治療後も再発を繰り返す癌ですので、治療後の定期検診と肝炎治療は、肝臓内科が行います。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 11 13.18 58.09
中等症 64 13.31 79.03
重症 16 15.75 82.75
超重症 - - -
不明 - - -
 市中肺炎を重症度別にみた患者数です。数では中等症の患者が多くを占めていますが、ICU入院適応となる重症、超重症の患者も23%程度みられます。重症度が上がるにつれ平均在院日数、平均年齢が高くなる傾向がみられています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 192 22.64 75.64 33.78
その他 30 24.80 72.03 6.76
 脳梗塞は急性の発症が多く、救急搬送される患者さんが多いため、発症日から3日以内の入院が多くなっています。超急性期の症例では、血栓溶解術や血栓除去手術を行います。できるだけ症状の進行を防ぎ、機能回復を計るため、点滴と内服薬の治療に加え、早期からリハビリテーションを開始します。近隣の病院との脳卒中地域連携パスを活用しており、後遺症の残った患者さんは回復期リハビリテーション病院に転院します。
 脳ドックなどで頸動脈狭窄が発見されることがあります。脳梗塞になるのを予防するため、頸動脈内膜剥離術や血管内手術によるステント留置術を行います。
 もやもや病の患者さんは、術前、術後の経過観察のために検査入院していただき、脳血管撮影を行います。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(2cm以内のもの)(その他のもの) 40 1.33 6.65 0.00 74.75
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 40 1.43 1.78 0.00 69.53
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 30 1.43 7.60 3.33 70.30
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 30 1.53 5.40 3.33 71.60
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 27 0.63 1.26 0.00 71.15
 入院において消化器内科でもっとも多い手術は肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法またはマイクロ波凝固療法です。切除不適または切除希望しない方で、根治的治療が期待できる方に実施していますが、2cm以内のものの術例が多くなっています。原則として腫瘍径3cm以内で、3個以内の場合に行っていますが、安全性が確認できれば、それより大きいものや、数の多いものに対しても行っています。手術成績は外科的切除術とほぼ同等の成績です。
 2番目は内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(20mm未満)です。径が10mm以下のものは外来で手術を行うため、入院して切除するものは20mm前後の大きいものが対象となっています。ほとんどが組織学的に腺腫という良性腫瘍です。クリニカルパスを用いて、1泊入院で行います。
 3番目は血管塞栓術(経カテーテル的肝動脈化学塞栓術)です。外科手術やラジオ波焼灼療法の適応外である、比較的大きなものや多発性のものに行っています。手術は放射線科が行い、クリニカルパスを用いて、1週間入院です。
 4番目は早期胃癌に対する内視鏡的胃粘膜下層剥離術です。クリニカルパスを用いて、8日間入院です。ほぼ全例完全切除され、治癒しています。
 5番目は20mm以上の大腸ポリープに対する、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術で、上記の20mm未満の記述を参照ください。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 90 2.20 3.04 2.22 75.73
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 38 2.13 4.24 15.79 78.55
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 29 0.00 11.21 6.90 64.79
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 22 0.18 8.36 4.55 74.82
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 19 2.11 11.26 0.00 78.47
 循環器内科では、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈形成術、ステント留置術といった心臓カテーテルを用いた治療の症例数が多くなっています。カテーテル治療は、腕や脚の血管からカテーテルという管を心臓まで通し、動脈硬化や血栓など閉塞、狭窄した心臓の動脈を拡張する方法です。たいていの患者様は検査治療の前日ないし当日に入院していただき、問題がなければ翌日退院していただいています。
 近年では下肢などの閉塞性動脈硬化症に対する治療の件数が増加しています。下肢の動脈閉塞により、歩くと脚が痛くなるなどの症状が出現しますが、カテーテル治療を行うことにより、劇的な自覚症状の改善が得られます。こちらも入院日数は2~3日程度です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 73 1.89 5.16 0.00 63.32
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 46 1.63 3.33 0.00 67.57
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 45 5.00 12.02 0.00 71.00
K6335 鼠径ヘルニア手術 21 1.33 3.81 0.00 70.43
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 21 2.95 11.57 0.00 68.19
鼠径ヘルニア:鼠径ヘルニアに対しては、現在主として腹腔鏡を使った手術を施行しており、創の整容性、術後の創痛の軽減を図っています。手術前日に入院していただき、術後3日目の退院となっています。事務的なお仕事であれば翌日から可能です。小児の場合は手術当日の入院で、翌日の退院となります。

胆石症:胆石症に対しても特殊な例(高度に炎症のある症例、癌が強く疑われる症例など)を除き、腹腔鏡で胆嚢摘出を行います。前日に入院していただき、5日目に退院です。症例に応じてお腹に開ける穴(ポート)の数を減らした手術(単孔式など)も行っています。

結腸癌:結腸癌に対する開腹手術は、腸閉塞をきたしていたり、他の臓器に浸潤、転移がある症例で、それを合併切除する場合に行われます。通常は腹腔鏡(補助)下に行われることがほとんどです。術前に腸管減圧処置が必要な開腹手術例では、手術までの期間が長くなりますが、そうでなければ、1~2日前に入院し、10日から2週間程度で退院となります。術後補助化学療法(抗癌剤治療)が必要な場合は外来で行います。

胃癌:胃癌に対するすべての術式(幽門胃切除、幽門保存胃切除、噴門側胃切除、胃全摘)を腹腔鏡下で行っています。切除後の吻合も体内で行いますので、5mmから12mmの穴を5カ所開けるだけでほとんどの操作を終えます。臍の穴を3-3.5cmに拡張して切除した胃を体外に取り出します。手術の1-2日前に入院し、術後10日から2週間程度で退院となります。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 104 3.44 18.00 56.73 78.27
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 59 2.32 12.95 18.64 57.81
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 59 1.98 25.22 27.12 72.98
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 55 5.44 20.44 70.91 82.35
K131-2 内視鏡下椎弓切除術 31 2.48 8.87 3.23 69.68
 整形外科では、高齢化社会の到来により下肢の変形性関節症(膝関節、股関節)に対する手術目的での入院患者が増加しています。これらの手術はほぼ予定手術であり、クリニカルパスに沿って術後約3週で退院できる比率を高く保てています。
 高齢者が転倒して負う四肢の骨折に対する骨折観血的手術や椎体骨折に対する手術も多くなっています。これらの症例に対しては可能な限り強固な固定及び術後の早期離床を行い入院期間の短縮をめざしています。また脊椎椎体骨折後の偽関節により疼痛が持続したり、神経組織の圧迫が生じて下肢麻痺が出現した患者さんに対し、インスツルメントを用いた腰椎除圧固定術を施行しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 28 0.25 10.68 17.86 77.43
K178-4 経皮的脳血栓回収術 22 0.14 22.91 63.64 77.50
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 19 6.89 21.32 47.37 74.63
K1781 脳血管内手術(1箇所) 15 3.67 24.20 20.00 62.87
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 14 3.93 20.21 7.14 59.21
 慢性硬膜下血腫は、高齢者に多い外傷です。近年の高齢化に伴って、脳神経外科手術の中では最も多い疾患となっています。軽微な外傷でも期間をあけて徐々に症状が進行することが多く、発見された時には緊急の手術となることが多いです。通常は後遺症なく回復しますが、症状が進行した症例ではリハビリテーションのために転院する患者さんもいらっしゃいます。
 脳梗塞の急性期には血栓回収術が適応になる場合があります。神経症状が劇的に回復し、後遺症なく退院される場合も増えています。頚動脈狭窄症に対し、脳梗塞の予防としてステント留置術をおこなう患者さんも増えています。局所麻酔でできるため、負担も少ないです。
  脳動脈瘤は脳の血管に瘤ができる病気で、破裂するとくも膜下出血を起こします。突然の発症で救急受診され、CTや脳血管撮影を行い診断を確定します。治療法としては、開頭クリッピング術と脳血管内コイル塞栓術があり、当院では両方の治療が可能です。最善の治療法を検討して根治術を行います。
 脳ドックなどで脳動脈瘤が発見される症例も増えています。破裂前に治療できるので、経過は良好です。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 14 0.00 4.71 0.00 58.57
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 10 6.70 5.60 0.00 34.90
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) - - - - -
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) - - - - -
K4742 乳腺腫瘍摘出術(長径5cm以上) - - - - -
 呼吸器外科においては、呼吸器・乳腺外科を院内標榜しており、乳癌に対する乳房部分切除術、乳房切除術が多い手術と成ります。乳癌を根治するだけではなく、術後のQOL(生活の質)を向上させることに主眼を置き、画一的な治療ではなく患者さんの病状やライフスタイルに合わせて治療を選択できるように努めています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 103 1.34 7.83 1.94 49.65
K872-3 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術,子宮内膜ポリープ切除術 28 0.79 1.11 0.00 40.64
K8654 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術)(腟式、腹式) 22 1.77 8.05 0.00 71.14
K867 子宮頸部(腟部)切除術 19 0.89 1.00 0.00 37.26
K879 子宮悪性腫瘍手術 17 1.94 10.12 0.00 55.47
 指標の1番目に挙がっている子宮全摘術は、産婦人科の良性疾患である子宮筋腫や子宮腺筋症(子宮内膜症)などに行われる手術です。当院ではその中でも低侵襲である腟式単純子宮全摘術を行うことが多く、患者さまの生活の質の向上と術後日数の短縮につながっています。2番目に多いのは子宮鏡下の粘膜下筋腫や子宮内膜ポリープ切除術で、紹介症例で難しい場合が多く、術後の出血の確認の為、術後1日入院していただいています。3番目は性器脱に対する手術です。今後も高齢化とともに増加傾向があると考えます。4番目に多い手術は、子宮頸部異形成上皮や上皮内癌そして子宮頸癌IA1期までの症例に行われている円錐切除術です。子宮頸がんや子宮体がん等の子宮悪性腫瘍手術は、他科との連携での治療を行うことも多いです。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 432 0.57 1.18 0.00 75.51
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) - - - - -
K224 翼状片手術(弁の移植を要する) - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) - - - - -
K2172 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) - - - - -
 眼科で施行している手術のほとんどは白内障手術です。白内障手術は、日帰り手術、入院手術ともに行っており、入院期間は1泊2日、2泊3日以上と患者様のニーズに応えることができるよう工夫しています。白内障以外の手術でも、患者様のご希望に応じて入院、外来のどちらでも受療できるように心がけています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 80 1.14 6.69 0.00 52.34
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 67 1.00 7.03 0.00 22.19
K319 鼓室形成手術 53 1.11 7.08 0.00 45.85
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡) 34 1.26 3.41 0.00 65.38
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 32 4.13 6.47 0.00 9.59
 診断群別患者数と同様に手術別患者数でも、内視鏡下鼻副鼻腔手術と口蓋扁桃摘出術が最も多くなります。鼓室形成術は毎年50件前後を推移しています。喉頭直達鏡下喉頭腫瘍摘出術は入院期間が3-5日と、低侵襲かつ入院が短期間で可能なことが特徴です。小児に対する鼓膜換気チューブ留置術では、安全性のため全例全身麻酔下に施行しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 41 2.34 6.71 2.44 73.93
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 32 1.25 4.28 0.00 63.75
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 13 0.62 7.77 0.00 68.54
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除術(ホルミウムレーザー) 13 2.92 6.77 0.00 71.23
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 - - - - -
 膀胱癌の経尿道的手術には潅流液に電解質溶液を使うものと、その他のものがあります。治療方法に変わりはありませんが、電解質溶液を使えば潅流液が血液の中に入ることによっておこる副作用が少なくなります。また電極の切れもいいので大きな腫瘍や腫瘍の数が多い場合や再手術の場合はよい適応となります。
 腎尿管結石に対する手術には体外から衝撃波を結石に当てて砕石する方法と、内視鏡でレーザーを用いて砕石する方法があります。衝撃波治療は1日入院ですが、内視鏡治療は1週間ほどの入院となります。
 尿管結石や腫瘍などで尿管が狭窄・閉塞した場合に尿管ステントを留置します。閉塞した側の腎臓が腎盂腎炎を起こしている時に行うことが多いです。
 当院では前立腺肥大症の内視鏡手術でレーザーを用いる手術も行っています。レーザー手術により、大きな前立腺も内視鏡で手術できるようになりました。
 腎癌や、腎盂癌・尿管癌の手術にはできるだけ低侵襲な治療を行うため、腹腔鏡を用いて腎臓を摘出する手術を行っています。腹腔鏡ではできないような大きな腫瘍や、上腹部の手術の既往がある場合は開放手術を行います。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 11 0.16
180010 敗血症 同一 11 0.16
異なる 23 0.33
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 29 0.41
異なる - -
 DIC(播種性血管内凝固)、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症の症例数と発生率を集計しました。

●DPCコード
 14桁ある診断群分類コードのうち、6桁の「疾患コード」で集計しています。「疾患コード」には、それぞれに対応する「疾患名」が付いています。6桁のみでの集計ですので、治療方法には関連しません。

●傷病名
◇DIC(播種性血管内凝固)
 血管内のさまざまな場所で血液が固まった「血栓」ができてしまう全身性の重症な病態です。がん、敗血症、ショック、熱中症等、必ず原因となる基礎疾患があります。

◇敗血症
 感染症にかかった際に血液中に病原体が入り込む全身性炎症性反応を伴う重症な病態です。

◇真菌症
 真菌がヒトや動物の体の障壁を越えて定着することに起因する感染症です。

◇手術・術後の合併症
 手術や処置等に不随して一定割合で発生してしまう病態であり、合併症の発生はどのような患者様でも起こり得ることです。

●入院契機
 入院の契機となった傷病名(原則、入院診療計画書に記載された傷病名)です。最終的には、一入院で一つ最も医療資源を投入した傷病名(DPC病名)を決定し、包括請求をします。DPC病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かにより分けて集計しています。
 「同一」とは、入院契機病名とDPC病名が同じ、「異なる」とは、入院契機病名とDPC病名が異なるということです。「異なる」の場合、原因となる病気が後に判明した、違う病気を併発していた、入院後に違う病気が発症したことを表し、それらの治療が主に行われたことを表します。

●発生率
 平成29年度の全退院患者数のうち、該当するDPCコードで請求となった患者様の割合です。

●解説 
 DIC(播種性血管内凝固)や敗血症は、DPCでは高額な点数が設定されており、本来、これらの病名をDPC病名として選択する場合、診療内容が医療資源の投入量等の根拠に乏しいものであってはならず、その根拠が診療録に適切に記録されている必要があります。そうでなければ、アップコーディング(不適切な入院医療費請求)を疑われかねないDPC病名とされています。
 当院のDIC(播種性血管内凝固)の全症例に対する割合は0.19%(厚生労働省による平成28年度の全国のDPC対象病院データ集計では0.16%)であり、当院では全国値と比べてあまり変わりなく、DIC症例に対して適正に請求されていると言えます。

 手術・術後の合併症については、35例中29例がDPC病名と入院契機病名が同一である症例でした。言い換えれば、手術・術後の合併症を主訴として入院され、その治療目的の患者様が多いということです。内訳としては、後出血(T810)、人工股関節脱臼(T840)、術後創部感染(T814)などとなっております。
 手術や処置などは、合併症を起こさないように細心の注意を払って施行していますが、合併症はどうしても一定の確率で起こり得ます。起こり得る合併症につきましては、施行前に可能な限り患者様、ご家族などに説明の上、同意をいただくようにしております。
更新履歴
2018/9/26
公開